うるくぬ んかしばなし

第1話.ガーナー森(ムイ)

ガーナー森(ムイ)
 とぉー、それはもう昔の話でよ。だぁ、小禄高校のそばにガーナー森(ムイ)というのがあるでしょう、今は、もう、ああやって陸のはしっこにあるけどよ、もとは奥武山(おうのやま)もそうなんだが、漫湖(まんこ)の真ん中に浮いている島だったわけ。

 それがよ、昔はね、その海の真ん中から歩いて真玉橋(まだんばし)の所へ行ってさ、人が通ると食べてしまったり、畑に上がってきてせっかく作ったものを食べ荒らしりで、もう、大暴れするから、とても困っていたわけさぁねぇ。だから、この漫湖(まんこ)のまわりの人たちは、もうたいへんだと言ってなんとかしようとするけれど、相手は化け物だからどうにもならない。

 それで、一所懸命みんなで神様にお祈りしたんだね。なんとか、あの大暴れするガーナー森(ムイ)をおとなしくさせてくださいってね。

 そうしたら、このお祈りを神様が聞いてくださってから、五斤(ごきん)くらいある石をね、このガーナー森(ムイ)に落としたわけよ。尻尾(しっぽ)のところに三つね。

 だから、ようやく動けなくなってね、それからはおとなしくなったって。だから昔は、尻尾にあたるところに、こう、大きな石がほんとうにたったんだよ。

 また、こんな話もあるさぁ。

 このガーナー森(ムイ)がよ、なんで、そういうかというと、これは真玉橋(まだんばし)ができたとき、奥武山(おうのやま)に住んでいたガーナー(がちょう)が人気を橋に取られたといって、ガーガー騒ぐから、とてもうるさいわけさぁ。

 それで、神様が口封じに石をおとしたからっていうんだよ。それで、そこをガーナー森(ムイ)って呼ぶようになったって。

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