▼ 参考文献「沖縄百科事典」 フール 豚の飼育小屋を兼ねた便所。フーリャ、ウヮーフールともよばれた。 沖縄の民家施設の特質的なものといわれたが、戦後はみられない。中国から伝来したといわれる。 石積みの区画がなされ、屋根には石造りのアーチ形・茅葺き・瓦葺きがあった。床は石敷きで、前方にトゥーシヌミー(東司の穴)があり内側に向かって勾配がつく。 東司の前方に一枚石の目隠し壁があり、このなかに豚を数頭飼う。東司から用を足すと豚が人糞を処理した。 1916~7年(大正5~6)ころ、都市衛生上遺憾な点があるとして、時の警察署長の命令により区長立会いのもとで各家庭のフールのトゥーシヌミーを潰し、新規にフールを造ることを禁止した。 フールのわきに新たに設けられた汲取式便所は、ヤーフール(屋根つき便所)とよばれる。 |
▼書籍の紹介▼ 「沖縄トイレ世替わり」―フール(豚便所)から水洗まで― 平川宗隆.著/定価1,600円(税別)四六判/(有)ボーダーインク発行 ▼週間「ほ〜むぷらざ」第846号(2003年7月17日)より紹介▼ ウチナーまじない考「屋敷内で最も偉いフールの神」 (昔)魔物から身を守る場所・(今)マブイグミなどの儀式も行われる |